再再見ネクサス・第5巻(#17-#20)神話の人々、普通の人々
#17 闇 -ダークネス-
#18 黙示録 -アポカリプス-
溝呂木が使役する今現在のビースト(ガルベロス)と戦いながら、
溝呂木がナイトレイダーに居た一年前の話(vsアラクネア・フログロス…なんかカワイイ)も、回想という形で語られます。
…戦闘機が発信するという忙しいときに、孤門と隊長は なにをゆっくり話しているのかw
1年前の和倉「(溝呂木へ)怪物と戦うものは気を付けるがいい。深き闇をのぞきこむと、闇もまたお前をのぞきこむ」
・・・これ、(平成の)「ガメラ2」を意識したセリフなんですね・・・ガメラ2はTVで観ていましたが、群体をレギオンと命名した聖書に詳しい副官が、和倉隊長とおんなじ方(石橋保さん)なのは気づきませんでした。ガメラ2、ネクサスの脚本の長谷川さんが装飾としてスタッフに名を連ねてたり、円谷特撮でよく見るお名前が散見されます。
ただ、ガメラ2は聖書であるのに対し、こちらは「神は死んだ」のニーチェ。
西条凪「あの夜(一年前、作戦中、溝呂木が失踪した夜)何が起きたの? 私を残し、この奥の闇で、あなたは何を見たの?」
溝呂木「真実だ」
・・・溝呂木の見た「真実」とは、自分(「眞」也)であり、「死」です。(眞という文字と死の関係は、前々回を参照)
ゆえに溝呂木は、死者や終末神話(ガルベロス=ガルム+ケルベロス。地獄の番犬)をもてあそびながら、創世神話(イザナギ=凪)にあこがれる。
死人使い=ネクロマンサー=魔法使い(大怪獣バトルのクマさん)?
巨人「私はお前(溝呂木)の影、お前の望むおまえ自身の姿だ」
溝呂木「あばよ、人間ども」
自分自身の姿・・・斎田リコの「斎」の文字が3本ヅノ(ファウスト)であったのと同様、
溝「呂」木も「呂(背骨が積み重なった形)」の文字にふさわしく背骨の巨人・メフィストとなります。
こうして人間としての溝呂木は死ぬ(=眞)わけです。人としての死は、特撮ヒーローになるためのイニシエーションではありますが、溝呂木は惜しい所で姫矢(ウルトラマン)にはなれなかった。
18話クライマックス、ダークフィールドで
・・和倉英輔
西条 凪・・・溝呂木眞也・・・孤門一輝
・・姫矢 准
こんな感じで溝呂木を中心に対峙する構図、これは再見の際に、非常に興奮しましたね。溝呂木に対し、すべてのキャラの名前がネクサス(関連性)を持っている。
溝呂「木」眞也・・・・・・・西「条」凪 木を持つ同士(戦士)
溝呂「木」眞也・・・・・・・「和」倉英輔 木を持つ同士(戦士)
溝呂木(mithology)眞也・・・孤門(common)一輝 レアリティ
溝呂木眞(=匕目八)也・・・姫矢(=匕目八)准 「ひめや」を内包
そして、和倉隊長と孤門は「車」を共通に持っており、
孤門と姫矢は、瓜子姫コンボ(前記事)である。
キャラ(名前)の持っている関連性通りに、キャラが配置されている・・・これを興奮無くして観ることが出来ようか!
ドラマ「ウルトラマンネクサス」は、名前が本体!
・・・結局は、西条副隊長が「ビーストはすべて敵!」と溝呂木を撃って消滅させてしまうわけですが(筋を通したところは「最高だぜ!」)、
溝という文字の中に「再(ふたたび)」が入っているんだよなあ・・・
#19 要撃戦 -クロスフェーズ・トラップ-
#20 追撃 -クロムチェスターδ-
vsゴルゴレム。わりかし怪獣らしいビーストです(掃除機?) そして黒幕・溝呂木退場のせいか、怪獣退治らしい怪獣退治です。
この辺から姫矢の体調が悪化していきます。
これは後で詳しく述べようと思ってますが、
姫「矢」准・・・モロボシ・ダン=諸星 弾(=「弓」単)
と、姫矢とウルトラセブンのダンには関連性があったりします。
(姫矢「准」、ハヤタ・シン=早田「進」と、「おおとり」を持つ者同士の関連性もあるのですけどね)
ウルトラセブン最終回のような衰弱ぶりです。
オフシーズンの温泉街へ、今一つやる気に出ないグラビア撮影に来ていた
カメラマン・保呂草
モデル・七夏
助手・潤平。
保呂草は、戦う人(「木」)、背骨の人(ヒーローと悪魔の間で惑う溝呂木要素)、そしてリーダー(くさかんむり。和倉「英」輔隊長や山邑「薫」を思い起こしてください)。
七「夏」は、西「条」と部首を共通していたり(「久」みたいなところ。厳密には形が同じだけの別要素かもしれませんが)・・・うん、「匕目八(ひめや)」も見えなくもない。
潤平・・・首藤「沙」耶、孤「門」、「理」子、「平」木・・・
なんか、ちょっとしたナイトレイダーが出来そうな漢字要素ですな。実際、草の根の「人類解放」運動というところです。
草の根・・・
そうでした、根来さんが出てくるんですよ。根来甚蔵が。(この人も「くさかんむり」を持っていますね。根来・姫矢・佐久田のチームだと、確かにリーダーでしょう)
保呂草の撮ったビースト(この世界では秘密とされている)の写真は、
ぬすむ・とんずら~のファイナルファンタジー的な根来流忍法によって公表にこぎつけるわけですが
保呂草の姫矢准へのリスペクトは、
保呂「草」→根来甚「蔵」→「姫」矢准
と、くさかんむりと「臣」を経由して、間接的な形をとらざるを得なかった。
同じカメラマンであっても、保呂草と姫矢准との間には、文字的に(そして実際にも)なんの関連性(ネクサス)も無いからです。
孤門が名前に反してcommon(普通の人)では無くなってしまったこの辺りで、
英雄的に戦場で写真をとれる人(といってもトラウマ負うわけですが)とは違う、普通の人のドラマを持ってくる。
普通の人は、こんな風に生きるしかない、でも時には、英雄になれる瞬間もあるかもしれない・・・
・・・さて、珍しく(?)DVDの巻の区切りで話が終わらない展開になってます。写真が載った新聞はどう受け取られるのか。何よりゴルゴレムを倒せていない。(いやノスフェルも巻をまたぎましたけど、あれは一応話の区切りがついている)
てなわけで、To be continued