ウルトラマンネクサス命名のひみつ(仮題)

(漢字の)名前に秘密が込められたウルトラマンネクサス。この研究(?)はドラマに対してのものであり、実在の人物のお名前とは関係ございませぬ。

番外編:アギト 水と木の物語

仮面ライダーアギト(TV 映画)の内容に触れます

※平成仮面ライダーの内容に若干ふれます

 

序:プロット

まずは我慢してこの拙作絵を見ていただきたい・・・


ごく普通の、仮面ライダーアギト(以下「アギト」)二次創作集合絵に見えますかね?
でもこの絵にはすごい秘密(え?)が隠されているのです~。

それはー

 

 

 

 

 


そう、めだたない尾室くんが隠れていた!

 

 

で は な く て

直交座標状に水と木をクロスさせ、
名前(の漢字)にある「水」と「木」の要素数により配置したものなのです!
※「水」がらみの「川」「透」などは0.5加算、「木」がらみの「くさかんむり」なども0.5加算です。「魚」も水がらみなのですが(水魚の交わりといいますし)ちょっと無色のマナ(TCG的に)の位置に置いておきたかったので~

 

これは「仮面ライダーアギト」研究(?)史上はじめて(かどうかはしらんが)の「木の意味」を問いかける記事でございます。

 

 

 

1:水・・・死と再生

「津」上、葦原「涼」、「氷」「川」・・・・「仮面ライダーアギト」の主要人物に、水の要素が入った人が多い ということはよく言われてきましたが(と思うんですが)

例:仮面ライダーアギト 後半合評2 アギト設定考察・個々人の正義が激突! - 假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

考察3・「水」にまつわるネーミング考

katoku99.hatenablog.com

 

それは なぜ なのか。

 

 

「アギト」は「聖から俗へ」と説いたのがGMS様のこちらの記事で、

水の意味 - ものかきの繰り言2023

gms.hatenablog.com

 

>そもそも翔一くん、浜辺に漂着したものなので、来訪神の性質を持っているのか!


他の記事には「水=死と再生」とも書かれており、
ああ、だからこの作品には水の名前の登場人物が多いのかと、とても納得させていただきました。
聖から俗へ、水辺にたどり着いた来訪神・・・(となると、えべっさん恵比寿神? 翔一くんの笑顔はえべっさんなんだなと思うと、なんか納得できそうな。きっとレストランも商売繁盛だ)

 

ところで・・・東映特撮チャンネルでアギトが何回目かの配信を終了したのがちょうど1年半ほど前(2021年9月)なのですが、
このシーズンのとき自分は、「一度(以上)アギトはひととおりみてるなあ」と、見たり見なかったりだったんですよ。
見ないときでもGMS様のアギトの記事は読んでいたのですが、あるとき「深い深い水の底にて」というプロジェクトG4(この映画は未見だった)についての記事を読み、
たぶんその記事タイトルの字面で、気づいちゃったのだと思います。
「深」という時には、さんずい(水)だけじゃなくって、木もはいっているなあ、と。

深い深い水の底にて - ものかきの繰り言2023

gms.hatenablog.com

 

2:水と木…?

さてここでウルトラマンネクサス(以下「ネクサス」)です。

ネクサスの登場人物の名前には
大きく分けると

  • 秘密をつかさどるもの:水系(メモリーポリスの首藤沙耶・三沢 松永)
  • 戦う人:木系(和倉・西条・平木・制服幹部の東郷、相馬、小柳 松永)
  • 鳥系(姫矢 准=雉 憐=wren 針巣 尾白)

の3系統があることに、このころの私はすでに気が付いてた(気づいたきっかけはやはりGMS様の記事から)のですが、


じゃあ、ひょっとしたらアギトもその方法で系統づけられるのか? と
wikipediaのアギトの登場人物の項や
仮面ライダー公式サイトの登場人物図鑑を見たりして、人名の漢字に(部首として)「木」と「水」がどれだけ入っているかを調べてみたのです。


これは・・・興奮しましたねw このことに気づいているのは自分だけかも、という感情は恋に似ている(と内田樹先生が書いていたような)そうですが、

 

水の入った名前のキャラが主要人物(他は北條 木野を例外として脇役)・・・なのではなく
主要人物は、水系と木系に分かれる(両方の属性を持つものもいる)ということではないかと気づいたのですよ。

 

なるほど・・・ネクサスに先立つこと二年、登場人物の漢字の部首に意味を持たせていた作品があったわけです。

 

  • アギトには水系と木系の人が居る
  • 両方持つのは沢木と深海のみ
  • 例外(どっちもまったく持たない)は風谷父と尾室。そう尾室・・・(T_T)(逆の意味で特権的なのかも)

 

3:水と木の違い

ではここで、水と木の違いについて考えてみます。これは、アギトという作品のテーマに直結してるんだと思いますよ。

 

・水は無個性、木には個性

水には(個体 液体 気体というフェイズは有っても)個性が無い(全にして一)

木には個性がある(一つとして同じものはない)

 

・水は平等 木には序列

ヒエラルキーとはちょっと違っていて、高い木の下に生える低い木とか、なんかそういう意味です。植生というか。

 

まあ、ほかにも違いはいろいろあると思うんですが、そのあたりの違いからか、次のような特徴が出てきます。

 

・みんなが同じ と これまでと同じ

 

・(他人を・・・あるいは自分を?)許せるか(水に流せるか) 許せないか

これは あかつき号生存者の水系・木系の人々の違いだったような(自信ない)

 

・聖と俗

人物集合絵の左(水)にいくほど聖(人間離れ)であり、右(木)に行くほど俗っぽい(人間くさい)人が集まっているなあという傾向があるでしょ?(ないかなあ) 大事なのは、どちらが優れているとか、上であるとか、そういう属性ではないということ。人間には聖も俗も必要です。水の人だけがアギトになるというわけでもないですし。

そして聖すぎる、というのも問題であり

上記のGMS様の記事にも書かれているように、

gms.hatenablog.com

>禁断のシステム! 国家的陰謀! 非道な人体実験! 崇高な理念を掲げて
他者の命に豆粒ほどの価値も見出さない狂気!

 
深海理沙 という水3 木1という名前・・・
あんまし聖の方向に行き過ぎても、あんまし理念だけが高くっても、というわけですな・・・

※なお、プロジェクトG4は、人の名前の出し方が完璧です。水と木の要素に注目しながら見ても、この人は水の人か木の人か、っての(ネタバレ)を微妙に回避しつつ、適宜情報は提供している(深海の名札とか)

 

まあ、そんなわけで、

狂気正気

理想(崇高な理念)と(普通の)生活(=身近な知恵)

この辺も違いとしてあらわれてきますね~

確かに「聖なる狂気」とは言うけど「俗なる狂気」なんて言い回しは聞いたことがない。

そして、普通の生活って大事ですよ~

ミヒャエル・エンデの「モモ」でも、Zeit ist Leben. と書かれてましたし。

英語だとTime is Life. ですね。

旧版の翻訳だと「時間とは生活なのです」

新版だと「時間とは、いのちそのものなのです」(このへんうろ覚え)

 

・・・なるほど、
美杉(みすぎ)とは 身過ぎ(生活)ということだったのか!
生活とは確かに「俗」の領域にあるものなのでしょう。

 

トレーディングカードゲーム風にいうならば、

水のマナ1である津上翔一(聖)が、

木のマナ1×2枚である美杉親子のもとに居候する(聖から俗へ)。

 

※聖と俗、どちらが上とか、優れているとか、ではないです。ここは間違っちゃいけないところです。

 

 

抽象と具体
※ 具体を英語でconcreteという。コンクリート・レボルティオの「コンクリート」。あれは、具体的なヒーローたちが回転(回天)する話だったのか。

なお音楽においての「ミュージック・コンクレート」、美術においての「具体」は具体的ってのを少し外れて、特異な意味を持っています。

具体美術協会 - Wikipedia

実際に作品を見てみると、これ抽象絵画じゃないかとも思えるのが面白いところです。

 

で、気持ちが重くなっちゃうんですが、やっぱりこれ↓は触れとかないといけないと思うのですよ。

 

4:ニュータイプの呪い

ニュータイプ と オールドタイプ
人類全体がニュータイプになって感応しあうようになったら、そこに個性は存在し得るのだろうか(他人というものは存在するのだろうか)
※という問いが、ケイブンシャガンダム大百科にあったような

 

それでもいい、違いを基(もとい)にして争いあい、滅んでしまうよりは・・・

と、考えて(あきらめて?)いいものなのでしょうか。

人類全体が液体になって溶け合うような未来。無個性の平等。

それは「死んだら仏様」的な涅槃(ニルヴァーナ)の世界、死後の世界のような気がします。

 

アギトのメインライター・井上敏樹さんは、

年代的にファーストガンダムの影響を、衝撃として受けとらざるをえなかったと思うのですが、それゆえに「ニュータイプの呪い」にとりつかれたのかもしれない。

一番呪われてしまったのは、富野監督そのひとだと思いますけど、ちょっとこの辺のことは省略させていただきます。重いので(というか自分の中でまとまらんし、気も乗らない・・・)。

 

で、どう呪いを解いたか、というと、

ニュータイプでもオールドタイプでもいいじゃない、にんげんだもの(みつを)」

それは、人間なんていつまでたっても変わらないという諦念の裏返しなのかもしれませんが。実際、このコロナ渦という世界的な危機下においてさえ戦争をなくすことができてませんし・・・

ただ、ニュータイプだろうがオールドタイプだろうが、アギトだろうがアギトでなかろうが、食べるものは変わんないでしょ、って話。だからラストはレストラン。

 

5:五行 相生(そうしょう)

水生木(すいしょうもく)
    木は水によって養われ、水がなければ木は枯れてしまう。

ja.wikipedia.org

結局、水と木は仲良し、って話です。

この二つのタイプの人間は、対立しているのではなく、その違いを補い合ってよりよく生きていける。アギト登場人物のネーミングには、そんな希望が込められているのではないかと思いました(もちろん本編がそういう作りになっているからです)。

なお、何事にも例外はある、というよりわざと例外を作ったんじゃないか、と思われる名前もそれなりにあります(河野刑事は水2って感じじゃないし、あと「白河」とか)

名前がその人間をあらわすわけじゃないだろ、という声が聞こえてきそうな。

※この辺、ネクサスのほうは、例外なくきっちりと作っちゃってるんですけどね。

この件に関しては

『1917 命をかけた伝令』 - 習慣HIROSE

blog.goo.ne.jp

こちらの記事(ラストの展開にふれています)の

>方法が内容を凌駕してはならない。あくまでも方法は描こうとする内容に従属する。

という言葉が戒めになります。

人間のタイプを、漢字の構成要素によってあらわすというのは、あくまで方法である、と。

※ネクサスの場合、漢字に意味を織り込む方法が複雑で、漢字の名前そのものこそが「内容」って気がしますよ

 

6:メモ

オーパーツは「水」辺に漂着し、

最初の犠牲者「佐伯信彦」は、「木」の中に埋め込まれた。

佐伯 真魚 太一(北斗七星)・・・弘法大師空海との関連性はあるか?

 

仮面ライダー龍騎では、

主人公二人の名は「城戸真司」=土 「秋山蓮」=木+火

ただ、意味や法則があるのかと言われれば、ちょっと分かんないですね

むしろ龍騎のほうに火のイメージがあるのですが・・・

いちおう 仮面ライダーに変身するものは 月火水木金土 どれかに関連ある漢字を名前に持ってはいます(「霧島」が苦しい)つうかこれらに全然関係ない漢字の名前を探すほうが難しいわ!

鏡ということで、左右対称に意味があるかな、とも思ったんですが、どうも法則を見つけられず。法則なんて作らない、という決意さえ感じられなくもない。

むしろ「城戸」=kid と、音のほうに注目するべきなのかもしれない。(「おとなになったら・・・」)

 

神崎(高見)士郎については、明確にV3・風見志郎との音の類似を指摘するべきだろう。父よ母よよ。ラストのミラーモンスターがトンボだったのも、ああなるほど。

昭和ライダーの1号・2号・V3・ライダーマン・X・アマゾン・ストロンガー・スカイライダー・スーパーワン・ゼクロスは、

平成のクウガからディケイドまでの10作にそれぞれ対応できなくもない。

龍騎はV3と対応している。龍騎のマスクの横スリットは、V3のマスク・口部分の横線と対応しているのだろうが、神崎士郎がミラーワールド(反転)の風見志郎ともいうべき存在なのかもしれないとは今気づいたっ!

 

555の主人公が「乾(いぬい)巧」と、「乾く」名前になってるのは(水の人との対比において)面白いところ。
(死は、灰になる(干からびる=水分が抜ける)という形で表される)
オルフェノクは、一度死を経由することや、その仲間の増やし方など、吸血鬼的なところがありまして(血の乾き) 木場はストレートに「牙」か?


それこそ仮面ライダーキバは吸血鬼(ちょっと違うけど)ハーフが主人公だったわけですが、

紅渡(くれない わたる)、血の赤のイメージ、そして人間とファンガイア二つの世界を渡る、だいぶん名前の付け方がストレートになりました。

 

順番前後しますが、

天の道を行き、総てを司る男!

これは名は体をあらわす好例。ちょっと昔っぽい登場人物名のつけ方ですね。

 

まあ自分が一番好きな名前の付け方は

「左 翔太郎」

これでWのどっち側がどっちの人か迷わずにすむよ!

(右のほうの本名もストレートだった)

 

 

というわけで、ネクサスの命名方法のルーツなんじゃないかとも思えるアギトの名前の話でした! う~時間かかった~ 

名前は水系、中身は木系(?)の ひろさわがお送りしました。

番外:牙狼<GARO> イザナギからイザナミへ

GARO PROJECT -牙狼オフィシャルサイト-

第1作目 牙狼<GARO> の主役・冴島 鋼牙(さえじま こうが)の名に 牙(キバ) が入っているのは、まあ当然といえば当然なのですが、
その幼馴染の女性・邪美(じゃび。悪役だと思ってた)の「邪」に牙が入っていたのは当初気づきませんで・・・

 

邪美を演じたのは、ネクサスで西条凪(なぎ)を演じた佐藤康恵さん。
この「なぎ」がイザナギから(も)来ているのは、直前の記事で語ったのですが、邪美という名前は、凪へのリスペクトなのでしょうか、語感も似ています。


また、イザナギ伊邪那岐と書きますし、イザナミは伊「邪」那「美」と書くわけですよ。
名前に「牙」を入れつつ、「邪」=悪役かもしれないと思わせつつ、しかもネクサスへのリスペクトも行っている・・・(のか? なおネクサスは2004年、牙狼は2005年スタートです)

ところで・・・最終回までの内容に触れますが、
(これ以降は、最終回まで見た方向けの記事です)

 

続きを読む

#25 予兆 -プロフェシー-  初見時最大の衝撃が!

査問会という名の総集編。それに加えて、新たな事実が明らかになります(ちら見せですけど)

 

1:かつて、赤い球体接触してウルトラマンとなった空自のパイロットがいた。(これが一人目の適能者ーーデュナミストなわけですが)

名前はまだ明らかにされない。名前が大事なのですが、それは #33 まで持ち越しです

 

2:西条凪の母親は、ビーストに殺害されていた。

その名前は、西条ナミ(劇中では明示されませんが、漢字は「波」です)

 

で、ネクサスを一人罰ゲームのつもりで一気見していた初見時(もう10年以上前です)、

最大の衝撃はナギの母の名がナミだったというところでした!

え? それ衝撃なの!? と言われそうな気がするのですが、

ナギ、ナミ、といえば

日本創世神話イザナギイザナミではないですか。

火の鳥黎明編(漫画少年版)を思い起こしてもいいのですが)

 

凪副隊長に対して、

「女なのに男の名前か!」 と、Zガンダム・ジェリド死亡フラグみたいに言っちゃいそうですが、まあ、それほどの衝撃でした。

 

このネクサスという物語は、神話的なのではないか。

そんな疑問が、確信に変わるのは、名前に秘密を見つけた再見時のことでしたが・・・

 

なお、この話は、珍しく(?)ナイトレイダーAチームの面々が仲良くしていて、

隊長にコーヒーを持っていく凪副隊長とか、詩織の肩をポンとたたく石堀とか、カップルが2組出来てる感じなのですよね~ 

隊長と副隊長が夫婦で、詩織が娘で、石堀がその夫という感じです・・・

 

ええ、孤門は独りです。(孤独の「孤」だしな!!)

 

そして現れる「3人目」の青いウルトラマン

かくして、新展開に向かうわけですが、その前に、ちょっと番外編の記事を2,3書きます。

 

To be continued...

 

再再見ネクサス・第6巻(#21-#24)二人目の物語が終わる(え? 一人目は?)

メモ書きをもとにして再構成しています。いまは映像を観れないので、
エピソードが前後の話に潜りこんでいるかもしれません。

 

#21 受難ーサクリファイス

佐久田ーサクリファイスー・・・・いえ、なんでもありません。(今のところは)

 

シャンパンの泡みたいに、メタフィールドが崩壊していく・・・が、ゴルゴレム、引っ張った甲斐も無く、あっさりやられちゃいましたね。怪獣らしい怪獣だったのに・・・

 

TLTの白防護服部隊が、疲労困憊した姫矢を確保(拉致)、
保呂草が命と引き換えに撮った写真も、MP(メモリー・ポリス)がヨタ与太記事に紛れ込ませ、
その写真を新聞社に送りこんだ根来さんも、MPに確保され記憶を消されそうになりますが、
根来流忍法その3・猫だましで からくも脱出。

 

松永要一郎管理官は姫矢の力の秘密を探り、自らのものにしようとこだわり(なお、この二人は男性で「女」が名前に入っている同士)、ピーーーーーー、と、心電図をフラットにしてしまいます。管理官の電飾バイザー姿は「アナログ・タイムズ」でオマージュされたのだろうか・・・

www.youtube.com


姫矢の身体は、ウルトラセブン最終回(正確には最終回一つ手前で言及)のごとくダメージが蓄積しており
亡霊みたいに(←ホログラムですから)姫矢の枕元に立ったイラレ吉良沢(イラストレーター)は、
「今度その体で戦えば本当に死ぬかもしれないよ」と、セブン上司のごとく警告するのですが、
姫矢さんがそれを聞き入れるわけもなく・・・

 

そうまでして、姫矢の探し求めるものとは?

 

#22 安息ーキュアー

そういえば、黒沢清監督作品の「CURE」に、佐久間という精神分析医が登場するのですが、

佐久間ーサクリファイスー・・・・いえ、なんでもありません。(今のところは)

 

「CURE」の名づけも、なかなか面白い法則(しかも映画そのものの運動に絡んでいる)があるのですが、またいずれ番外編にて取り上げようと思っています。

 

それはさておき。

地獄の饗宴。(←溝呂木談)

 

姫矢「おれは命を捨てるつもりはない。だがそれでもやらなければならないときもあるんだ」


・・・イラレの助言によりエボルトラスター(変身道具)が活性化し、蘇生してTLTから(テレポートで)脱出した姫矢は、佐久田が根来(逃亡中)を待つ公園に現れた。

 

取り残された松永管理官は、イラレ吉良沢に、わざと姫矢を逃がしたのではないかと問い詰めるのだが・・・
温和に・慇懃に笑いつつ、ふっと怖い顔になる(「こんガキゃー」みたいな)松永管理官が恐ろしいです。

しかし、まあ、姫矢からウルトラマンの「オーバーレイ・シュトローム(光線技)」の秘密は盗みだし、それと同等のバニッシャーをクロムチェスター(戦闘機)に組み込むことはできました。

 

・・・松永管理官の行動原理って、何なのでしょうね~? 同じ組織に居ながらも、吉良沢とは微妙なところで違ってる気がするのですが、
ビーストや来訪者の来る前に戻りたいが、戻れない。ならば、来訪者無しの人類の自立を目指したい。そのためには、他者からの侵略や干渉を受けないだけの強大な力が必要だ・・・という感じでしょうか。
一方の吉良沢くんのほうは、そこまで深くは考えてはいない気が。(柔軟なのだともいえますが)


ーーーーーーーーー
さて、MPから逃げる根来さんは、世界UFO研究会を名乗る謎の3人組の謎の事務所にかくまわれたわけですが・・・
この3人、
    * 
山田太一郎:斉藤暁(Episode.21 - 23)
    * 
青野康:佐藤亮太(Episode.21 - 23)
    * 
広川武雄:野仲功(Episode.21 - 23)

wikipediaより

 

「UFOに誘拐されて体にチップを埋め込まれた男の話もあったりなんかして~」
ああ、広川太一郎・・・

てなわけで、この3人は声の出演で有名な お3方
山田康雄
青野武
広川太一郎・・・
・・・の姓名を組み替えているわけですが、

 

名前の法則からいうと、
山「田」は、井「畑」のごとく犠牲に供され、
広「川」武「雄」は、秘密の記憶にかかわり、姫矢「准」同様の鳥系のはずなのですが、
これらは全く当てはまらないのです。
 
というのは、UFO研究会の3人の名前は、偽名だから。
 
山田の正体は、FBI捜査官のウェイン・チャン(中国系?)、
(何故日本にFBI? とも思うが、仮面ライダーの滝からの伝統なのか・・・)
他の二人も、まあ当然、何らかの本名を持つのでしょう。
 
松永管理官の雰囲気(特に襟)が、「謎の円盤UFO」のストレイカー司令(声:広川太一郎)(・・・じゃないや、もう一人の冬月先生ぽい人)ぽかったり、
TLTは、S.H.A.D.O.同様、秘密組織だったりするので、
どうせならそこは(山田康雄さんではなく)、「謎の円盤UFO」の吹替俳優の名をミクスチャーするべきだったのでは(小林昭二さんとか)、と思うのですが(青野さんは、いろいろな役で声を当てています)、このあたりが偽名の偽名たるユルさか・・・

 

なお、偽名に力が無いこのネクサス世界の場合、
その名前の持つ力を入手しようとすれば、
交換するか、奪うかしかないのですが、
ラスボスはそれに関して、けっこう面倒な手続きを取っています。
wiki知識なので、違っているかもしれませんが)
それについては、また今度。

 

今は、足いじってる(←Mr.ゲソ痕・科捜研所長への布石?)久保田のおっさん(違)の発言に戻りましょう。
山田「それともビーストの話でもしようか・・・異星獣・スペースビースト(←サブタイトルとしては出てきているが、作中では初めての呼び名か)が初めて発見されたのは20年前、アメリカ・コロラド州でのことだった・・・」
30の真実に70のウソを混ぜたら、もうそれ何が本当か分かんなくなるのでは?
シャノンの定理の冗長度って、そういう意味じゃないよね? とは思うのですが。

 

#23 宿命ーサティスファクションー 

珍しくサブタイトルの漢字とカタカナの意味が合わない。

 

ビースト(触手のみ)は7つの場所で人間をさらい、
(名前の通り「再」び現れた)「溝」呂木は、佐久田を誘拐、
幻影の中、なんかよくわからない まがまがしい所に送りこみます(サクリファイス・・・カードゲームでは生贄にささげることを俗に「サクる」と言う)。

 

ナイトレイダーのほうでは、イラレ吉良沢の解析により、「終焉の地」を導き出す・・・
平木「終焉の地?」
隊長「黙示録に記された、最終決戦の場所だ」←おお、やっぱり聖書にもお詳しい(ガメラ2感)。

 

七つ目の封印が解かれし時
闇の扉は開き
終焉の地へと通じる

 

・・・開き・・・平木(詩織)・・・時・・・闇・・・?(さすがにそれは深読みしすぎ)

 

黙示録に登場する7つの教会の位置、それが確定できているというのが驚きなのですが、
終焉の地への入り口は、分かる人には分かる「新宿中央公園」(放送当時、分かる人がすごく限られてたのが問題なのだよな)

 

溝呂木(佐久田へ)「はるか宇宙から飛来した光・・・やつ(姫矢)はその光に選ばれ、銀色の巨人になった。だがやつは、その力の価値をわかっちゃいない」
では溝呂木の考える「その力の価値」とは何なのか?

 

UFO研究会にサポートされた根来のほうは、帝都の秘密地下通路を使って「終焉の地」入り口へ。(音楽:川井憲次なので、パトレイバー2感が・・・っ)


ビーストに襲われるも、姫矢がヒーローっぽく登場。
結局、終焉の地に向かう姫矢准を送るのは根来甚蔵になりました。(しつこいようだが、この二人には「臣」を共通に持つという関連がある)

 

「おれが戦っているのは、宿命です!」と、ついに答えを出した(か?)姫矢。
※「fight against 宿命」「because of 宿命, I fight」2通りの解釈ができる

 

・・・だが、終焉の地に突入したナイトレイダーご一行が見たのは、
はりつけにされているウルトラマンだった! (ウルトラセブン「セブン暗殺計画」)

 

#24 英雄ーヒーローー 

溝呂木の願いは、完璧超人になること・・・ある意味ストレート。
一番強くなれば、もう他者に脅かされることもない。溝呂木にとっての「力の価値」とはそういう意味だ。
(だがこれは危険な落とし穴でもあるわけで・・・ あれ? 管理官の願いもこれと同じ系?)

 

ハイパーストライクバニッシャーで、あっけなくクトゥーラ(触手怪獣)は消滅。

 

イメージの世界で、姫矢はセラと話す・・・
「力をあたえられたこと、それがおれに対する罰だと思ったから」
「ぼろぼろになるまで戦い、ひとり孤独に死んでいくことが、せめてもの罪滅ぼしだと思った」

 

「ジュン、その光は罰なんかじゃない」「光の継承者に選ばれたのよ」
継承、それはウルトラマンネクサスを観るにあたって重要な概念だと思います。

「光」を一種の王権と考え、溝呂木は姫矢との2代目継承権争いに敗れたと考えてみる(なんだこのVシネマ感)。
誰(何)からの継承か。実は あの銀色の巨人からでは無かったりするのですが、
人間同士の間で継承されるということが、この24話まででは、明らかにならないんですよね~ 先代について語られるのも33話でしたっけ・・・

 

姫矢の戦う理由といい、ちょいと引き延ばしすぎたかとも思うんですが、
自分が死ぬ(死はヒーローのイニシエーションだ)ことを前提にしてはいるが、
(例えば凪に撃たれたりして)楽に死ぬわけにはいかない、という複雑な行動原理で動いていたと分かった時には、ある種、謎が解けた爽快感みたいなのがあった気がします(←爽快感の無いあいまいな表現)

 

姫矢がイメージの世界で救いを手にしたのと同期して、外の世界では、ナイトレイダーが駆るクロムチェスターが最後の一発をウルトラマンエナジーコアにぶっ放す!
これはウルトラセブン「セブン暗殺計画 後編」で、はりつけになっているウルトラセブンに、ウルトラ警備隊がナントカ鉱石から発せられる光線をビームランプに当てることによってセブンをよみがえらせるという展開を思い起こさせます。
それは故なきことでもなくって、セブンも姫矢も「二人目」だから。

 

バニッシャーによりエナジーコアに光が戻り、再び 鳥の鳴き声が聞こえる。
真っ赤なV字型をしたエナジーコアは、飛ぶ鳥を正面から見たような形をしているのですが、
飛び立てない鳥だった雉(キジ)=姫「矢准」は、力を取り戻し、悪魔メフィストと空中戦を繰り広げる!

 

飛べる! おれはこの空を飛べる!(映画ULTRAMANより)

 

激しい戦いの中、ともに爆炎の中に消えた二体の巨人。英雄・姫矢と、姫矢になれたかもしれない溝呂木と。しかし・・・

 

「光は絆だ。誰かに受け継がれ、再び輝く」
3人目の継承者がこの世界に現れようとしていました・・・

 

再再見ネクサス・第5巻(#17-#20)神話の人々、普通の人々

#17 闇 -ダークネス-

#18 黙示録 -アポカリプス-

溝呂木が使役する今現在のビースト(ガルベロス)と戦いながら、

溝呂木がナイトレイダーに居た一年前の話(vsアラクネア・フログロス…なんかカワイイ)も、回想という形で語られます。

…戦闘機が発信するという忙しいときに、孤門と隊長は なにをゆっくり話しているのかw

 

1年前の和倉「(溝呂木へ)怪物と戦うものは気を付けるがいい。深き闇をのぞきこむと、闇もまたお前をのぞきこむ」

・・・これ、(平成の)「ガメラ2」を意識したセリフなんですね・・・ガメラ2はTVで観ていましたが、群体をレギオン命名した聖書に詳しい副官が、和倉隊長とおんなじ方(石橋保さん)なのは気づきませんでした。ガメラ2、ネクサスの脚本の長谷川さんが装飾としてスタッフに名を連ねてたり、円谷特撮でよく見るお名前が散見されます。

ただ、ガメラ2は聖書であるのに対し、こちらは「神は死んだ」のニーチェ

 

西条凪「あの夜(一年前、作戦中、溝呂木が失踪した夜)何が起きたの? 私を残し、この奥の闇で、あなたは何を見たの?」

溝呂木「実だ」

・・・溝呂木の見た「真実」とは、自分(「眞」也)であり、「死」です。(眞という文字と死の関係は、前々回を参照)

hirosawa-s.hatenablog.com

ゆえに溝呂木は、死者や終末神話(ガルベロス=ガルム+ケルベロス。地獄の番犬)をもてあそびながら、創世神話(イザナギ=凪)にあこがれる。

死人使い=ネクロマンサー=魔法使い(大怪獣バトルのクマさん)?

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背骨の巨人

巨人「私はお前(溝呂木)の影、お前の望むおまえ自身の姿だ」

溝呂木「あばよ、人間ども」

自分自身の姿・・・斎田リコの「斎」の文字が3本ヅノ(ファウスト)であったのと同様、

「呂」木も「(背骨が積み重なった形)」の文字にふさわしく背骨の巨人・メフィストとなります。

こうして人間としての溝呂木は死ぬ(=眞)わけです。人としての死は、特撮ヒーローになるためのイニシエーションではありますが、溝呂木は惜しい所で姫矢(ウルトラマン)にはなれなかった。

 

18話クライマックス、ダークフィールドで

            ・・和倉英輔

西条 凪・・・溝呂木眞也・・・孤門一輝

            ・・姫矢 准

 

こんな感じで溝呂木を中心に対峙する構図、これは再見の際に、非常に興奮しましたね。溝呂木に対し、すべてのキャラの名前がネクサス(関連性)を持っている。

溝呂「木」眞也・・・・・・・西「条」凪    木を持つ同士(戦士)

溝呂「木」眞也・・・・・・・「和」倉英輔   木を持つ同士(戦士)

溝呂木(mithology)眞也・・・孤門(common)一輝   レアリティ

溝呂木眞(=匕目八)也・・・姫矢(=匕目八)准    「ひめや」を内包

 

そして、和倉隊長と孤門は「車」を共通に持っており、

孤門と姫矢は、瓜子姫コンボ(前記事)である。

hirosawa-s.hatenablog.com

 

キャラ(名前)の持っている関連性通りに、キャラが配置されている・・・これを興奮無くして観ることが出来ようか!

ドラマ「ウルトラマンネクサス」は、名前が本体!

・・・結局は、西条副隊長が「ビーストはすべて敵!」と溝呂木を撃って消滅させてしまうわけですが(筋を通したところは「最高だぜ!」)、

溝という文字の中に「再(ふたたび)」が入っているんだよなあ・・・

 

#19 要撃戦 -クロスフェーズ・トラップ- 

#20 追撃 -クロムチェスターδ- 

vsゴルゴレム。わりかし怪獣らしいビーストです(掃除機?) そして黒幕・溝呂木退場のせいか、怪獣退治らしい怪獣退治です。

この辺から姫矢の体調が悪化していきます。

これは後で詳しく述べようと思ってますが、

姫「矢」准・・・モロボシ・ダン=諸星 弾(=「弓」単)

と、姫矢とウルトラセブンのダンには関連性があったりします。

(姫矢「准」、ハヤタ・シン=早田「進」と、「おおとり」を持つ者同士の関連性もあるのですけどね)

ウルトラセブン最終回のような衰弱ぶりです。

 

オフシーズンの温泉街へ、今一つやる気に出ないグラビア撮影に来ていた

カメラマン・保呂

モデル・七夏

助手・潤平。

保呂草は、戦う人(「木」)、背骨の人(ヒーローと悪魔の間で惑う溝呂木要素)、そしてリーダー(くさかんむり。和倉「英」輔隊長や山邑「薫」を思い起こしてください)。

七「夏」は、西「条」と部首を共通していたり(「久」みたいなところ。厳密には形が同じだけの別要素かもしれませんが)・・・うん、「匕目八(ひめや)」も見えなくもない。

潤平・・・首藤「沙」耶、孤「門」、「理」子、「平」木・・・

なんか、ちょっとしたナイトレイダーが出来そうな漢字要素ですな。実際、草の根の「人類解放」運動というところです。

草の根・・・

そうでした、根来さんが出てくるんですよ。来甚蔵が。(この人も「くさかんむり」を持っていますね。根来・姫矢・佐久田のチームだと、確かにリーダーでしょう)

保呂草の撮ったビースト(この世界では秘密とされている)の写真は、

ぬすむ・とんずら~のファイナルファンタジー的な根来流忍法によって公表にこぎつけるわけですが

保呂草姫矢准へのリスペクトは、

保呂「草」→根来甚「蔵」→「姫」矢准

と、くさかんむりと「臣」を経由して、間接的な形をとらざるを得なかった。

同じカメラマンであっても、保呂草と姫矢准との間には、文字的に(そして実際にも)なんの関連性(ネクサス)も無いからです。

孤門が名前に反してcommon(普通の人)では無くなってしまったこの辺りで、

英雄的に戦場で写真をとれる人(といってもトラウマ負うわけですが)とは違う、普通の人のドラマを持ってくる。

普通の人は、こんな風に生きるしかない、でも時には、英雄になれる瞬間もあるかもしれない・・・

 

・・・さて、珍しく(?)DVDの巻の区切りで話が終わらない展開になってます。写真が載った新聞はどう受け取られるのか。何よりゴルゴレムを倒せていない。(いやノスフェルも巻をまたぎましたけど、あれは一応話の区切りがついている)

てなわけで、To be continued

 

再再見ネクサス・第4巻(#13-#16)飛び立てない私はクイナか雉か

溝呂木眞也の暗躍。そして、孤門の物語が終わる(一応)

 

VSノスフェル(かなりしつこいネズミ型ビースト)

#13 予知者 -イラストレーター- 

「レーテ」「サイクロプスの悲しみ」・・・と、TLTの偉い人二人がギリシャ神話で語り合いますが、吉良沢のほうは来訪者側にいて、松永管理官もすべては知っているわけではないという・・・来訪者(英語だとVisitor・・・V?)とは何者なのか。映画「囚われた国家」を観た後なので、いろいろと妄想がはかどります(本編でも一応正体は明かされますが、何を考えているかは今一つ分からんので)そう、地球は来訪者に支配されてしまっているのではないか、という・・・

 

休暇中の孤門の前に、溝呂木があらわれ、斎田リコを殺害し操ったのは自分だと告げます。

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この挑発に逆上した孤門は溝呂木に殴りかかるのですが、

まったく相手にならない。

一方的にダメージを受け続けるだけです。

これは孤門=コモン=common(コモンカード)

溝呂木=みぞろぎ≒ミソロジー=神話レア

・・・と、MTG脳で考えてみると、実に納得できます。

MTG マジック・ザ・ギャザリングというトレーディングカードゲーム。コモン<アンコモン<レア<神話レア・・・・と、レア度が高くなっていけば行くほど、ショップでの売買価格が上がっていくという良い商売です(そうでもないか

 

コモンカードが神話レアにかなうわけがない。じゃあどうすればいいのか。なんとびっくり、その方法も名前に隠されていました!(だんだん陰謀論めいてきましたが、大丈夫、まともですまともですまとm)

 

ところで、あのビーストにノスフェルと名付けたのは誰なのでしょう・・・イラストレーター吉良沢がコードネームとして命名しているのだと思っていましたが、溝呂木も「ノスフェル!」と召喚してるんですよね・・・溝呂木がナイトレイダーに居た頃から存在したのでしょうか・・・・

※ノスフェル・・・吸血鬼ノスフェラトウからの命名か。吸血鬼は伝染病・ペスト(この語はネズミに由来する)の比喩だって話もありますし

 

さて、溝呂木の幻影精神攻撃に追い詰められた孤門曰く、

「僕は・・・駄目人間だ・・・」

なんとびっくり、commonって囲碁用語で「ダメ」をあらわすんですよ~(囲碁用語の「ダメ」の英訳は2種類あって、libertyが死活にかかわる呼吸点、commonがどっちが打っても勝敗にかかわらない交点です)

いやまさか、そこまで考えての命名なのか、と思いましたけど、隊員に「ヒラキ」「(石)シボリ」(双方とも囲碁用語)が居ますし、「田」という文字も3路盤に見えなくもないですし?(「井」はマルペケ・・・溝呂木も「はじめようかデスゲームを」と言ってますし)

 

#14 悪魔 -メフィスト-

動物園での家族が、その動物園で孤門と出会ったという理由だけで、溝呂木(悪魔・メフィスト)に目を付けられ、犠牲になっていきます。

本編では、女の子が「りこ」、そのお兄さんが「かおる」とだけしか分からないのですが(そしてOPには名前が出てこない)、名前無しだと非常に語りづらいので、#16に出てくる雑誌記事を基に、

父親・山邑 博(39)

母親・涼子(34)

兄・薫(14)

妹・理子(10)

と、明かしておきます。

山「村」ではありません。この作品で「木」は(誰かのために)戦う人々の象徴であり、この家族は戦う人々ではないからです。

この両親はビースト人間に変えられ、理子はノスフェルの体内に人質として取られる。

メフィスト溝呂木は薫にノスフェルを狙う孤門(理子が体内にいることは知らない)のビジョンを見せ・・・

ウルトラマン姫矢は、テレパシーで孤門に「憎しみにとらわれるな」と呼びかけるのですが(通じない)・・・

 

孤門が主砲を発射し、ノスフェルは撃破、

しかし、中に居た理子は命だけはとりとめますが重体(あの高さから落ちて助かるとは思えないのだけど、そこは「子供向け(でもある)番組」の筋を通したか)、

薫は「どうして理子を撃ったんだよ! ぼくは許さない、おまえを一生許さないからな!」と孤門 一輝を責めるのですが、

さあ、漢字に注目(*^_^*)。

山邑理子が、孤門にとっての斎田リコ、そして姫矢にとってのセラと相似なのは分かりやすいと思うのですが、

と孤門 一、よく見ると共通部分としてを持っている。

孤門を責める薫というのは、実は孤門の自責の念が別の人間の姿を借りてあらわれているのだ、と考えてみるのはどうでしょうか。それは薫の側も同様で、妹を守り切れなかった自分を責めている。

また、理子のという漢字の「つくり(右側)」の里も、車に似た形をしているわけで(そして、受難の十字架「」を含んでいるわけで・・・)(さらに理子・孤門は「子」が共通しているわけで・・・)、復讐の念で誰かを撃つことは、結局自分を撃つ(殺す)ことに等しい、と訴えているのかもしれません。

 

ビーストに対する復讐の念により、一時的に結びついた孤門と副隊長の心ですが、一話と持つことはなかった(それは年少視聴者への配慮なのかもしれない)

孤門は 結局そういう人間ではなかった(「あの人=副隊長とは、考え方が違うんだ」)、ということになるのかもしれません。

孤門の受難は続きます。

 

#15 悪夢 -ナイトメア- 

吉良沢(モニターの姫矢に)「どうしてそんなに彼(孤門)にこだわるんだい?」

・・・・それは、こっちも聞きたいです!

いえ、全話観てるからわかるっちゃわかるんですけど、

溝呂木のほうもなんか孤門にこだわっとるし。

ここで、#6を姫矢のほうから語り直したような話が挿入されます(姫矢、孤門に語る)。回想の遺跡で鳥の鳴き声(ヒェーンみたいな感じ)が聞こえるのはちょっと記憶しといてください。

VSノスフェルの戦いは続きますが、孤門は少女・理子のことを思い出してしまい、撃てず、敵前逃亡します・・・

 

#16 迷路 -ラビリンス-

根来流忍法その2! 要人(逃亡中のナイトレイダー隊員・孤門)誘拐! しかも「かくれが」って・・・

ここでようやく雑誌の記事として山邑一家の名前が出てきますが、文字ちっちゃい・・・

根来が記憶を消すことに激昂するのは、うすうす自分たちも記憶操作されてることに気が付いているからではないかと(再見以降だと)思うのですが、

しかし、根来は溝呂木に気絶させられ、孤門は溝呂木に拉致され、幻影の世界へといざないます。斎田リコと仲良く暮らせる世界・・・

 

しかし、考えてみれば、任務を忘れて恋人の思い出(追憶=リコレクション)・幻影と暮らすのは、きわめてヒーローらしくない行為、まさにリコ=「利己」的な行為ではないでしょうか。

もちろん、孤門が負ったトラウマを考えれば、視聴者に責めることは出来ない、むしろ、この幻影の世界で心穏やかに生きていってほしいとも思う・・・

姫矢の声は届かない。

溝呂木は姫矢に言う。「おまえはあいつ(孤門)の中に過去の自分を見ていたんだろうが」・・・

孤門も、溝呂木の人形となってしまうのか。だが・・・

 

幻影のリコに近づく孤門の足元で、ガンバルクイナくんのマスコットが壊れる音がする。

・・・孤門(過去の姫矢)を救ったのは鳥だった。

 

子瓜門(矢)を救ったのは鳥だった。

 

瓜子姫を救ったのは鳥だった!!!(瓜子姫の話にはいくつかのバージョンがあり、そのうち鳥の警告により惨劇を回避するというものがある)

 

言霊の力によりcommon(孤門)はmithology(溝呂木)に敵わないという状況は、

モヂカラ「瓜子姫」により覆された!

 

※「姫矢准」という名の中に「雉(キジ)」が内包されていること、キジもクイナも飛べない鳥であること、エンディングテーマが#14から「飛び立てない私にあなたが翼をくれた」に変わったことを想起していただきたい・・・また「鳥」は、第2部にて重要なコトバとして出てきます。

 

幻影を振り切った孤門は戦線に復帰、右腕を負傷した隊長からディバイトランチャーを受け取り、ウルトラマンが抑えるノスフェルの口中(唯一の弱点)にシュート!

 

こうして孤門は、

リコを喪ったこと、理子を傷つけてしまったことを、忘れることなく引き受けつつも、

以後、「仕事」に邁進することになります。

DVDまるまま一巻使って斎田リコの(いか)りはめられ、孤門のパーソナルな物語は、これで一応終了、

こののちは、孤門別の人の物語となります。

 

5巻6巻は、溝呂木と姫矢の話ですね・・・To be continued

 

再再見ネクサス・第3巻(#9-#12)リコってきたウルトラマン

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さて・・・問題の巻に来ましたね・・・なお、このブログ、ネタバレに関しては自重しませんのであしからず。基本的には、一度は「ウルトラマンネクサス」を観ている方にむけての記事です。

あと、ここでの漢字研究(研究?)は、「ウルトラマンネクサス」というドラマの登場人物に対してのものであり、実在の人物とは関係ないものです、と、お断りしておきます。

 

VSラフレイア・ノスフェル・・・溝呂木。

溝呂木眞也。溝呂木という苗字は多くは無いですが、実在します。仮面ライダー555の「たたたたっくん、オルフェノクが!」で有名な菊池啓太郎を演じた溝呂木賢さんとか。(というか、このお名前からのインスパイアなのか?)

が、溝呂木については次の巻でお話ししましょう。

本題に入る前に、まずこれ。

 

孤門は なぜそんなにウルトラマンを信じられるのか。

観てるほうとしては、そのように信じてほしいと思いつつも、

このネクサスの世界観では、危うい気もします(ナイーブすぎる)。

理由は、後の話でも明言されるわけでもないのですが、

過去にウルトラマンを見ているからではないか。(今は忘れている)

これは、メタ的に我々視聴者の立場と重なります(かつてウルトラシリーズを見てきた)

ネクサスでのウルトラマンも、今までのウルトラシリーズでのウルトラマンのように信じてもいいのではないか、というメタな働きかけで、それは視聴者にも受け入れられやすい主張なのですが、

 

しかし、このシリーズには、悪のウルトラマンとでもいうべき存在があります。

ダークファウスト

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石堀隊員曰く「三本ヅノ」。

で、なんのてらいも無く本題に入りますが、

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