ウルトラマンネクサス命名のひみつ(仮題)

(漢字の)名前に秘密が込められたウルトラマンネクサス。この研究(?)はドラマに対してのものであり、実在の人物のお名前とは関係ございませぬ。

再再見ネクサス・第4巻(#13-#16)飛び立てない私はクイナか雉か

溝呂木眞也の暗躍。そして、孤門の物語が終わる(一応)

 

VSノスフェル(かなりしつこいネズミ型ビースト)

#13 予知者 -イラストレーター- 

「レーテ」「サイクロプスの悲しみ」・・・と、TLTの偉い人二人がギリシャ神話で語り合いますが、吉良沢のほうは来訪者側にいて、松永管理官もすべては知っているわけではないという・・・来訪者(英語だとVisitor・・・V?)とは何者なのか。映画「囚われた国家」を観た後なので、いろいろと妄想がはかどります(本編でも一応正体は明かされますが、何を考えているかは今一つ分からんので)そう、地球は来訪者に支配されてしまっているのではないか、という・・・

 

休暇中の孤門の前に、溝呂木があらわれ、斎田リコを殺害し操ったのは自分だと告げます。

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この挑発に逆上した孤門は溝呂木に殴りかかるのですが、

まったく相手にならない。

一方的にダメージを受け続けるだけです。

これは孤門=コモン=common(コモンカード)

溝呂木=みぞろぎ≒ミソロジー=神話レア

・・・と、MTG脳で考えてみると、実に納得できます。

MTG マジック・ザ・ギャザリングというトレーディングカードゲーム。コモン<アンコモン<レア<神話レア・・・・と、レア度が高くなっていけば行くほど、ショップでの売買価格が上がっていくという良い商売です(そうでもないか

 

コモンカードが神話レアにかなうわけがない。じゃあどうすればいいのか。なんとびっくり、その方法も名前に隠されていました!(だんだん陰謀論めいてきましたが、大丈夫、まともですまともですまとm)

 

ところで、あのビーストにノスフェルと名付けたのは誰なのでしょう・・・イラストレーター吉良沢がコードネームとして命名しているのだと思っていましたが、溝呂木も「ノスフェル!」と召喚してるんですよね・・・溝呂木がナイトレイダーに居た頃から存在したのでしょうか・・・・

※ノスフェル・・・吸血鬼ノスフェラトウからの命名か。吸血鬼は伝染病・ペスト(この語はネズミに由来する)の比喩だって話もありますし

 

さて、溝呂木の幻影精神攻撃に追い詰められた孤門曰く、

「僕は・・・駄目人間だ・・・」

なんとびっくり、commonって囲碁用語で「ダメ」をあらわすんですよ~(囲碁用語の「ダメ」の英訳は2種類あって、libertyが死活にかかわる呼吸点、commonがどっちが打っても勝敗にかかわらない交点です)

いやまさか、そこまで考えての命名なのか、と思いましたけど、隊員に「ヒラキ」「(石)シボリ」(双方とも囲碁用語)が居ますし、「田」という文字も3路盤に見えなくもないですし?(「井」はマルペケ・・・溝呂木も「はじめようかデスゲームを」と言ってますし)

 

#14 悪魔 -メフィスト-

動物園での家族が、その動物園で孤門と出会ったという理由だけで、溝呂木(悪魔・メフィスト)に目を付けられ、犠牲になっていきます。

本編では、女の子が「りこ」、そのお兄さんが「かおる」とだけしか分からないのですが(そしてOPには名前が出てこない)、名前無しだと非常に語りづらいので、#16に出てくる雑誌記事を基に、

父親・山邑 博(39)

母親・涼子(34)

兄・薫(14)

妹・理子(10)

と、明かしておきます。

山「村」ではありません。この作品で「木」は(誰かのために)戦う人々の象徴であり、この家族は戦う人々ではないからです。

この両親はビースト人間に変えられ、理子はノスフェルの体内に人質として取られる。

メフィスト溝呂木は薫にノスフェルを狙う孤門(理子が体内にいることは知らない)のビジョンを見せ・・・

ウルトラマン姫矢は、テレパシーで孤門に「憎しみにとらわれるな」と呼びかけるのですが(通じない)・・・

 

孤門が主砲を発射し、ノスフェルは撃破、

しかし、中に居た理子は命だけはとりとめますが重体(あの高さから落ちて助かるとは思えないのだけど、そこは「子供向け(でもある)番組」の筋を通したか)、

薫は「どうして理子を撃ったんだよ! ぼくは許さない、おまえを一生許さないからな!」と孤門 一輝を責めるのですが、

さあ、漢字に注目(*^_^*)。

山邑理子が、孤門にとっての斎田リコ、そして姫矢にとってのセラと相似なのは分かりやすいと思うのですが、

と孤門 一、よく見ると共通部分としてを持っている。

孤門を責める薫というのは、実は孤門の自責の念が別の人間の姿を借りてあらわれているのだ、と考えてみるのはどうでしょうか。それは薫の側も同様で、妹を守り切れなかった自分を責めている。

また、理子のという漢字の「つくり(右側)」の里も、車に似た形をしているわけで(そして、受難の十字架「」を含んでいるわけで・・・)(さらに理子・孤門は「子」が共通しているわけで・・・)、復讐の念で誰かを撃つことは、結局自分を撃つ(殺す)ことに等しい、と訴えているのかもしれません。

 

ビーストに対する復讐の念により、一時的に結びついた孤門と副隊長の心ですが、一話と持つことはなかった(それは年少視聴者への配慮なのかもしれない)

孤門は 結局そういう人間ではなかった(「あの人=副隊長とは、考え方が違うんだ」)、ということになるのかもしれません。

孤門の受難は続きます。

 

#15 悪夢 -ナイトメア- 

吉良沢(モニターの姫矢に)「どうしてそんなに彼(孤門)にこだわるんだい?」

・・・・それは、こっちも聞きたいです!

いえ、全話観てるからわかるっちゃわかるんですけど、

溝呂木のほうもなんか孤門にこだわっとるし。

ここで、#6を姫矢のほうから語り直したような話が挿入されます(姫矢、孤門に語る)。回想の遺跡で鳥の鳴き声(ヒェーンみたいな感じ)が聞こえるのはちょっと記憶しといてください。

VSノスフェルの戦いは続きますが、孤門は少女・理子のことを思い出してしまい、撃てず、敵前逃亡します・・・

 

#16 迷路 -ラビリンス-

根来流忍法その2! 要人(逃亡中のナイトレイダー隊員・孤門)誘拐! しかも「かくれが」って・・・

ここでようやく雑誌の記事として山邑一家の名前が出てきますが、文字ちっちゃい・・・

根来が記憶を消すことに激昂するのは、うすうす自分たちも記憶操作されてることに気が付いているからではないかと(再見以降だと)思うのですが、

しかし、根来は溝呂木に気絶させられ、孤門は溝呂木に拉致され、幻影の世界へといざないます。斎田リコと仲良く暮らせる世界・・・

 

しかし、考えてみれば、任務を忘れて恋人の思い出(追憶=リコレクション)・幻影と暮らすのは、きわめてヒーローらしくない行為、まさにリコ=「利己」的な行為ではないでしょうか。

もちろん、孤門が負ったトラウマを考えれば、視聴者に責めることは出来ない、むしろ、この幻影の世界で心穏やかに生きていってほしいとも思う・・・

姫矢の声は届かない。

溝呂木は姫矢に言う。「おまえはあいつ(孤門)の中に過去の自分を見ていたんだろうが」・・・

孤門も、溝呂木の人形となってしまうのか。だが・・・

 

幻影のリコに近づく孤門の足元で、ガンバルクイナくんのマスコットが壊れる音がする。

・・・孤門(過去の姫矢)を救ったのは鳥だった。

 

子瓜門(矢)を救ったのは鳥だった。

 

瓜子姫を救ったのは鳥だった!!!(瓜子姫の話にはいくつかのバージョンがあり、そのうち鳥の警告により惨劇を回避するというものがある)

 

言霊の力によりcommon(孤門)はmithology(溝呂木)に敵わないという状況は、

モヂカラ「瓜子姫」により覆された!

 

※「姫矢准」という名の中に「雉(キジ)」が内包されていること、キジもクイナも飛べない鳥であること、エンディングテーマが#14から「飛び立てない私にあなたが翼をくれた」に変わったことを想起していただきたい・・・また「鳥」は、第2部にて重要なコトバとして出てきます。

 

幻影を振り切った孤門は戦線に復帰、右腕を負傷した隊長からディバイトランチャーを受け取り、ウルトラマンが抑えるノスフェルの口中(唯一の弱点)にシュート!

 

こうして孤門は、

リコを喪ったこと、理子を傷つけてしまったことを、忘れることなく引き受けつつも、

以後、「仕事」に邁進することになります。

DVDまるまま一巻使って斎田リコの(いか)りはめられ、孤門のパーソナルな物語は、これで一応終了、

こののちは、孤門別の人の物語となります。

 

5巻6巻は、溝呂木と姫矢の話ですね・・・To be continued